発芽十割蕎麦の店 湯島 春近

「究極の蕎麦」の確信
荒井久著「GABA SOBA® TOKYO-湯島春近の作り方―」
 発芽十割蕎麦を筆者は「GABA SOBA®」と名付け、商標登録も取得した。
発芽十割蕎麦とは、蕎麦実の殻を除いた「ぬき実」に水を与えて発芽させ、それをフードプロセッサーで蕎麦玉に仕立てて、その後に製麺機で蕎麦麺にする。
「GABA SOBA®」と名付けたのは、発芽時にGABA値が30~40倍に上がるからだ(信州大学農学部の井上直人名誉教授説)。GABAはアミノ酸の1種で、γ―アミノ酪酸のこと。血圧の上昇を抑えたり、ストレスを緩和させるといった効果がある。

 筆者は「GABA SOBA®」は究極の蕎麦だと主張する。旨くて栄養価が高いからだ。腸に悪影響を与えないグルテンフリーでもある。とにかく圧倒的に旨い。
旨い理由は発芽にある。蕎麦実に水を与えると発芽するが、芽を出すにはそのためのエネルギーが必要で、水を与えると酵素が働きだして蕎麦中心部の炭水化物が糖分に変化する。このため、いわば糖蕎麦になり、甘い蕎麦に変身する。

 蕎麦は米や小麦と異なり、炭水化物の他、たんぱく質、ビタミン類、ミネラル類が豊富であることが知られている。そのため発芽十割蕎麦は、中心部の炭水化物だけを蕎麦にする更科蕎麦よりも栄養価的には、はるかに有利だ。ましてGABA値は30~40倍になる。香りも高い。

 発芽十割蕎麦は蕎麦実100%であり、さらに発芽しているため、蕎麦麺として粘着度が弱く、蕎麦麺になりにくい。このことが手打ち蕎麦としては困難さを極める。蕎麦屋としての「湯島春近」は、機械打ちでこれを解決している。油圧式の製麺機でなんと6.3トンもの超高圧で麺を押し出して長い麺にしている。これらを「湯島春近の作り方」として単行本にまとめた。



GABASOBA TOKYOー湯島春近の作り方ー
単行本(ソフトカバー)
2024/10/23 荒井 久 (著)
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湯島春近/荒井 久
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